メルセデス・ベンツ

エンブレムについて

メルセデス・ベンツといえばエンブレム・ロゴの「スリー・ポインテッド・スター」が有名です。現行車はフロント部分にありますが、かつてはボンネットの先端に立体的なエンブレム・ロゴとして輝いていました。
ベンツマークとも呼ばれるスリー・ポインテッド・スターは、星を意味します。自動車以外の様々な交通機関に自社製造のエンジンが搭載されることを夢見て「陸・海・空」を表現したものです。
1909年に最初のスリー・ポインテッド・スターが商標登録されました。当時のデザインは、創業者のダイムラーが妻に送った1872年の絵葉書が由来となったそうです。
この絵葉書に描かれたスリー・ポインテッド・スターはドイツでのダイムラーの家の場所を示しており、いつの日か星が彼の工場を照らして繁栄をもたらすという願いがこめられていました。
その後、1926年に2社の合併によりメルセデス・ベンツが誕生します。ダイムラーのエンブレムであるスリー・ポインテッド・スターの外側に月桂樹の葉を組み合わせたエンブレム・ロゴが誕生したのです。
2007年に社名であるダイムラー・ベンツから、ダイムラーに変更され、2008年に現在のデザインになりました。
スリー・ポインテッド・スターの外側にあった月桂樹がなくなり、円の中にスリー・ポインテッド・スターのみのシンプルなデザインとなっています。

立体エンブレムがなくなった理由

車両に取り付けられたエンブレムは一目見てメルセデス・ベンツだとわかる車の象徴です。昔はメルセデス・ベンツだけではなく他メーカーも同じように立体的なエンブレムをボンネットにつけていましたが、現在は見る機会が少なくなっています。
理由は「突起物規制」により、接触事故が起こった場合、このエンブレムによりケガをする恐れがあるということで、国際基準によって規制されることに。2009年以降に製造された車両が適用されたため、立体エンブレムをつけた車は減っています。
そのため、他の外国車でもジャガーのボンネットに直立していた「リーピング・キャット」も全モデルから姿を消し、車体の後部に埋め込まれる形に変わりました。
しかし、Sクラスやマイバッハ、Eクラス、Cクラスの一部車種には立体エンブレムを採用しているものもありますが、このような立体エンブレムは後ろに押すと倒れこむ設計になっています。
「道路運送車両の保安基準」には特別規定が設けられており、立体エンブレムが格納もしくはたわんだ状態で突出量が10mm以下と、この規定を満たしているので、対象外となっています。