bmwのイメージ

BMWのロゴは青と白の円を基調としたシンプルなデザインですが、その意味については長らく誤解も多く、プロペラを表しているとする説が広く信じられてきました。実際にはもっと奥深い歴史と地域的な意味が込められています。

BMWロゴの誕生と変遷の歴史

BMW(バイエリッシェ・モトーレン・ヴェルケ)は1917年に創業し、航空機エンジンメーカーとしてその歴史をスタートさせました。現在も名を残すロゴは、同年にドイツ皇帝により商標登録されたことから始まります。丸い形状のロゴは、創業時に買収した企業「Rapp Motorenwerke」のロゴデザインを引き継いでおり、それをもとにして中央を4つに分割した青と白のチェック模様が加えられました。

この青と白の配色は、BMWが本拠を置くドイツ・バイエルン州の州旗をモチーフにしています。BMWという社名も「バイエルンのエンジン工場」を意味しており、そのアイデンティティをロゴにも反映させた形です。

1920年代以降、BMWのロゴは細部にわたる微調整を受けながらも、基本的な構成要素を守り続けてきました。立体的な陰影や文字の太さ、外周のリングなどが時代に応じて変化し、2020年には長年親しまれた立体的なスタイルからフラットデザインへと大幅な刷新が行われました。この変更はデジタル環境への適応と、より透明性のあるブランド姿勢を反映したものであり、現代的な表現へとアップデートされたのです。

デザインが変わっても、ロゴが伝え続けるメッセージは一貫しており、バイエルン発祥の誇りと革新を両立させる存在として位置づけられています。

プロペラ説が広まった理由

BMWのロゴがプロペラを表しているという説は、事実とは異なりますが、非常に広く信じられてきました。この誤解が生まれたのは、1929年にBMWが社内広報用に発行した雑誌「BMWフラグ」に掲載された一枚の広告にさかのぼります。

その広告では、ロゴを航空機のプロペラに重ねて描いたビジュアルが用いられており、回転するプロペラの中央にBMWのロゴがあるように見える構図でした。これにより、多くの人が「BMW=プロペラマーク」というイメージを持つようになったのです。

もともとBMWは航空機エンジンメーカーであり、実際にプロペラと関係のある技術を開発していたため、こうしたイメージが浸透しやすい素地もありました。加えて、当時のブランド担当者がこの解釈を否定することなく、むしろ積極的に利用したことが、誤解を助長したともいわれています。

結果として、「青空に回るプロペラ」というイメージがBMWの公式なルーツのように扱われてきたのです。

本当の意味は地元と伝統の象徴

実際には、BMWのロゴに描かれている青と白の4分割の模様は、プロペラとは関係がなく、前述のとおりバイエルン州旗に由来するものです。白と青のチェック模様は、バイエルンの伝統的な象徴であり、地域に根差した誇りを表現しています。

BMWが創業地ミュンヘンを含むバイエルンに深く根を下ろしていることは、その製品や企業文化の中にも色濃く反映されています。バイエルン州は精密工業が盛んな地域であり、質実剛健かつ先進的なものづくりへの評価が高い土地柄です。その文化をロゴとして表すことで、BMWは自らの出自を明確にし、企業姿勢を視覚化しているのです。

ロゴの構造自体がシンプルであることもまた、BMWのデザイン哲学と一致しています。不要な装飾を排除し、本質だけを研ぎ澄ませるという思想が、ロゴの形状にも現れています。こうしたミニマルな美学は、車のインテリアや操作系にも通じており、BMW全体に統一感を与えています。

誤解されることも多かったこのエンブレムですが、その本当の姿を知ることで、BMWというブランドの深さと一貫性がより明確に伝わってきます。